高志会HPをご覧頂きましてありがとうございました。
 今回はある日の(日常の)情景を通して思いを巡らした事を綴っていくことにします。

午後4:00。取りかかり中の案件をそそくさと鞄に詰めながら、職員と明日の業務打ち合わせをする。その後、速やかに事務所を後にして帰路を急ぐ。階段を駆け下りいつもの電車に飛び乗る。車内では鞄の中の案件の続きを頭の中でまとめる、そして、明日の予定をイメージしていく・・。気がつくと電車は川を越え、窓の外に見慣れた風景が広がる。最寄りの駅はもうすぐだ。今日もいい子に過ごせたかな。保育園でお迎えを待つ子どもの姿を想像する。駅に着いた。社会保険労務士から母親に切り替わる一瞬。

午後5:00、保育園へお迎え。部屋の扉を開け、多くのお友達の中から子どもの姿を見つけ声をかける。子どもは顔 を向けると同時に満面の笑みを浮かべながら小走りに駆け寄ってくる。仕事の疲れも吹き飛ぶほどの至福の時。
 「今日も楽しかったね」と子どもに語りかける。子どもがこうして保育園で元気に過ごしてくれるからこそ私も仕事がで きるのだ、子どものがんばりに感謝。
 午後5:30、帰宅。それからの多忙さはいうまでもない。母親兼主婦。夫が帰宅すると「妻」も含めて一人3役。子ども が寝付き、家事が一段落するまでは家中をめまぐるしく動き回っている。
 午前0:00、ようやく毎日の嵐も去った。夕方途中だった就業規則の見直しの案件に手をつける。労基法の改正内 容を再度確認し、修正すべき点や変形労働時間制についての提案をまとめていく。やれやれ、ここまで進めれば明 日は行動し易くなる・・。
 ふいに、子どもが気になり寝床を見に行く。寝顔を見ながら、この子が社会人になる頃雇用状況はどうなっているだ ろう、年金制度は・・と、私の中で母親と社会保険労務士が交錯する。

 翌日の午後。退職者の手続きのために顧問先を訪問。総務部長と打ち合わせをした後、退職者本人より退職後の 社会保険の手続きについて質問があるという。一通り話し終えた後に退職者(女性)は私に「なぜ社会保険労務士に なったのか」と問う。私より10歳若い彼女の顔を見るとやや疲れているように見えた。おそらく一生懸命仕事をしてきたのだろう。かいつまんで話し、さらにいくつかの問に答えているうちに、結婚して子どもを出産したことも話す羽目に なった。話を聞いているうちに彼女の目が徐々に輝いてきた。そして「なんか私もまたがんばれそうです」と言った。
 彼女の言葉に私も元気が出る。仕事と家事、育児の両立は確かにきつい。でも、こんな私の生き方に共鳴してくれる 後輩がいる。そしてその後輩はまた自分の後輩に「輝き」を与える。それは、また次の後輩へとバトンのように引き継 がれるとしたら・・。

 ほんの些細な存在ではあるが、次の世代へ引き継げる何かを創造できるかもしれない・・。母親も社会保険労務士も がんばって続けていこうと改めて思う。

小室文菜